【IELTSスピーキングのスコアアップ】シリーズ、第3回はPART1対策です。
<シリーズ内容>
筆者がスピーキング7.5をマークする過程で実践したことや、メンターから受けたアドバイス、試験官をしていた講師からのヒント等を全て盛り込んでお伝えしていきます。目標スコア達成のために挑戦している方、行き詰まってしまっている方のお役に立てれば嬉しいです。
【関連ワード】IELTS スピーキング コツ/IELTS スピーキング PART1/IELTS スピーキング 自己紹介
スピーキング PART1の内容
IELTSのスピーキングは全体で11~14分、3つのパートに分かれています。
パート1の配分は4~5分、「自己紹介+日常的でシンプルな質問」で構成されます。
受験者自身に関する質問や日常生活に関する質問(4~5分)
- 試験官と受験者が自己紹介をする
- パスポートで本人確認をする
- 家族、仕事、勉強、趣味などについての質問に答える
【パート1の題材として扱われるトピック】というのは、以下のようなものです(例)。
結構幅広い上に、例えば「アート」1つとっても、「絵画」や「彫刻」、「色彩」や「写真」…といった具合に質問内容は多岐に亘ります。どんな質問でも柔軟にテンポよく回答していく必要があります。
- 故郷
- 仕事or学校
- 家族
- 休日
- 天気
- トラベル
- 音楽
- 公共施設
- 趣味
- アート
- 買い物
- 食事
- 映画
- 交通
- ファッション
- 睡眠 etc.
「日常的でシンプルな質問」というのが厄介。ピンポイントな質問もあり結構戸惑います。筆者はいきなり「サングラス」について聞かれて、唐突すぎて笑ってしまったことがあります^^; 分類としては「ファッション」ですね。
絶対失敗できない人向け
リラックスして笑顔で臨もう
IELTSを受けたことのある方は分かると思いますが、試験官は基本的に、受験者の緊張をほぐして、できるだけリラックスしてもらおうとフレンドリーに接してくれます。目的は「スピーキング能力を測ること」であって、緊張感の中で実力を発揮する能力を見ているわけではないのです。
試験官は、受験者を過度に緊張させないための教育を受けています。
笑顔で出迎えてくれるはずですので、こちらも笑顔でスタートしましょう。笑顔になるだけで、肩の力が抜けてリラックスできますよ^^
挨拶やIDチェックは直接スコアに関係ありません。その後に落ち着いて実力が出せるように、試験官の目を見て笑顔で挨拶をして、積極的に和やかな雰囲気を作っていきましょう。
対面の場合は、順番が来たら試験官が呼びに来てくれますよね。入室から着席まで誘導してくれると思いますが、その際にもコミュニケーションがとれます。「I’m a bit nervous, but in a good way」(ちょっと緊張しています、でも良い意味で)と話しかけると、「That’s all right. You can do it!」と励ましてくれましたよ^^
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PART1の重要性
基本的に、スピーキングテストはパート1からパート3に向かう程に難易度が上がります。つまり、パート1はIELTSスピーキングテストにおいて一番易しいパートです。質問内容も自分の周辺のトピックなので回答しやすいですよね。
但し、だからと言って単なるウォーミングアップではありません。むしろ、一番重要なパートです。理由は2つ。
1つには、簡単な質問内容こそ、受験者の英語力が現れやすいという点です。
例えば発音…シンプルな分、一つ一つの単語の音が目立ちます。例えば語彙…短い回答の中で適切な語彙を選択して洗練された受け答えをするにはスキルが必要です。
シンプルが故にごまかしがきかないんですね。無難にこなすことはさほど難しくないですが、英語力のベースがしっかりしていなければ加点は狙えません。
2つ目は、試験官はパート1で受験者のレベルの「当たり付け」をするという点です。
前述の通り、簡単な内容こそ、受験者の能力の差が出やすいです。
つまり、試験官はパート1で既に受験者のレベルを凡そ判断しています。スピーキング11~14分の内、パート1で既に三分の一が経過しているわけです。ここで受験者のレベルの当たり付けをして、パート2とパート3でその仮説を検証していくイメージだと考えて下さい。
厳しい話ですが、パート1で大体5~5.5あたりのスコアだと当たり付けされた場合、そこから7.0を取るのは不可能に近いです。
シンプルな質問に対して十分なパフォーマンスを発揮できないのに、パート3で流暢に話したとしたら、運よく準備してきたトピックが当たった「丸暗記疑惑」こそ出たとしても、評価に繋げるのは難しいです。
パート1、しっかり対策をして試験官に英語力をアピールする必要があります。
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パート1対策:暗記は通用するのか?
パート1は全パートの中で比較的準備がしやすいパートと言われます。
但し、暗記が通用するのは「ごく一部だけ」です。パート1はざっくり前半の【受験者のバックグランドに関する質問】と後半の【日常的な事柄への質問】に分けられます。
自分のバックグラウンド
パート1の中で試験官は必ず受験者のバックグラウンドについて質問する必要があり、中でも必ず聞かれる質問があります。それが以下の2つです。
- Where do you live?
- Are you a student or are you working?
この2つの質問については、試験官はどちらかを必ず質問することになっています。
この2点については、文法も発音も語彙も全て事前にしっかり練っておくべきです。これらの事柄に関する周辺情報(学生なら専攻や将来の夢、社会人なら職業や上司に関すること)も同様に整理しておきましょう。①の住んでいる場所に関連して、「家から会場までどうやって来たか?」も良く聞かれます。
この2点に関連する回答は精度を高めた上で回答を暗記してOKです。
但し、暗記が通用するのはここまでです。本当に一部ですよね。
暗記のリスクは、質問内容が少し違うと使えなくなってしまうことです。作りこめば作りこむ程、それ以外の質問が来た時に何もできなくなってしまいます。
その労力は違う方向で使いましょう。
- アイデア出し
- バックグラウンドに関する語彙を見直す
- 使えるフレーズを見直す
まずはアイデア出しです。
日本語で自分のバックグランドについて聞かれたとして、瞬時に端的に答えられますか? 例えば、かなりの頻度で聞かれるのが「Hometown」に関すること、つまり出身地域についての質問です。観光名所や特長のある公共政策等、すぐに思い浮かびますか? 英語以前に、アイデアを整理しておくべきことも多いです。
次に、自分のバックグラウンドに関する語彙の見直しです。
先ほどの「地元の特長ある公共政策」であったり、地元の気候、お気に入りの場所や風景、兄弟姉妹の職業、住んでいる家の特徴(フラットや一軒家)等、簡単なものでも案外パッと出てこないものです。パート1対策として、バックグラウンドを説明するための語彙を見直しましょう。
「使えるフレーズ」も同様です。
「In my childhood(私が子供の頃は)」「When I moved into a new flat(新しいアパートに引っ越した時」等、自分のこれまでの経験を話す際に使えるフレーズを充実させておくと、スムーズに話を展開することができます。「I don’t remember exactly when as it was a long time ago(すごく昔のことなのでいつの話だったかはっきり覚えていないのですが)」といった、どんなトピックでも使えそうな少し長めの繋ぎのフレーズも、回答をまとめるのに便利です。
丸暗記とはいかなくても、自分に関することは事前にかなり準備できるはずです。
日常的な事柄への質問
「Part1の内容」でお話した通り、PART1のトピックの幅は広いです。
自身のバックグラウンドに関することであれば、ある程度的を絞って回答を準備できますが、「日常的でシンプルな質問」となると、そもそもトピック自体が多岐に亘る上、そのトピック内で出題される可能性のある質問というのは際限なくあるわけです。
内容を予想して回答を暗記するのは、ほぼ無意味です。
例えば、トピックが「料理」だとして。好きな料理嫌いな料理といったシンプルなものから、伝統料理に関すること、香辛料に関すること、トマト料理について…等、キリがありません。
パート1対策:例題をひたすら練習する
では、どのように対策をするかと言うと、「ひたすら多くの例題に取り組むこと」です。
その目的は、以下の3点です。
- アイデアを出し尽くす
- 回答パターンを身に付ける
- 瞬発力を身に付ける
質問内容が予想できないのは前述の通りですが、幅広いトピックに対して多くの例題をこなせばこなす程、自分のアイデアが固まってきます。例えば、筆者はファッションのトピックで「サングラス」について聞かれたわけですが、その際の質問はこんな感じでした。
- Do you like to wear sunglasses?
- Where can you buy sunglasses?
- Do people in your country wear sunglasses?
ファッションアイテムをどこで買うか? 日本人のファッション傾向はどんなものか?…初見だと意外とアイデアがまとまらず、無難な回答になりがちです。でもよく考えると、サングラスというのは、ファッションアイテムでもあり、日差しやUVを防ぐ機能アイテムでもあります。
アイデア次第で幅広い語彙を使った回答が出来るわけです。
そうしたアイデアを出し尽くしておくと、違う質問が来ても応用がききます。例えば、「帽子」も同じようなアイテムですよね。日本人のファッション傾向も、他のアイテムを問われてもある程度応用がききます。
次に、多くの問題をこなすことで加点がとれる回答パターンが身に付いていきます。
パート1の質問形式は「一問一答+α」なので、5W1H(Who/When/Where/Why/What/How)に対して、「このトピックでこのタイプの質問が来たら大体こんな回答をする」というパターンを身に付けると、非常に楽になります。
How often~?の頻度の質問もよくありますね。
最後に「瞬発力」ですね。
本番で「質問に対して即座に加点がとれる回答をする」という瞬発力を磨きましょう。これも多くの例題をこなす中で身に付いていきます。
「IELTS パート1 例題」で検索すると100を超える例題が出てきます。目標100例題!1つ1つ模範回答を作ろうとせず、アイデアを出した上でパターン化することを意識してください。前半50題はアイデア出し、後半50題は実戦形式で回答練習するのがおススメ。
パート1対策:質問にきちんと答える+α
さて、先ほど 【パート1の質問形式は「一問一答+α」】とお話しましたが、1つ注意して頂きたいことがあるので付け加えておきます。
それは、とにもかくにも「まずは質問にきちんと答えること」です。
Do you like to wear sunglasses?と聞かれたら、まずは「YesかNo」です。How often~と聞かれたら「once a week」でも「from time to time」でも何でも良いですが、必ず頻度を答えます。
理由や状況を説明するのはその後です。
試験官に流暢さや語彙力をアピールしたいがために焦っていきなり内容を話し始めてしまう人がいますが、逆効果です。コミュニケーションがとれていないとみなされます。評価基準である「一貫性」において、明らかなマイナス評価が与えられますので、注意してください。
「どんなに流暢に話しても」です。
また、長々と前置きをした後に結論を述べるのもNG。まず結論を述べて、それから理由を説明するのが英会話の基本です。これが出来ていないと試験官に非常にストレスを与えます。
落ち着いて、しっかり質問に回答した後に、+αで一言二言付け加えるイメージで回答しましょう。
例えば、以下の質問。
Do you prefer the city or the countryside?
■良い例:I prefer the city. Because it has an excellent public transportation network, which enables us to save time and money.
■悪い例: I used to live in the city and that was amazing. Especially an area I lived was redeveloped rapidly, many skyscrapers were standing side by side.
分かりますよね。いくら流暢に話してもマイナスの印象を持たれてしまっては非常に勿体ないです。
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まとめ
【「IELTSスピーキングのスコアアップ」シリーズ】、第3回は「パート1対策」についての解説でした。
当然ながら、各パート対策と言うのは「スピーキング力」のベースがあってこそのものです。前回までにお伝えした「加点に繋がるスピーキング力」を磨きつつ、取り組んでくださいね。
次回は「パート2対策」です。お楽しみに^^
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