以前の記事でIELTSの再採点制度について筆者の経験をふまえて解説しました。
![](https://tinatech.blog/wp-content/uploads/2021/11/EOR-300x158.png)
実際、筆者は3回の申請で2回スコアの修正を受けていますが、当然ながらスコアが低かったからと言って闇雲に申請すれば良いというわけではありません。
どんな時にこの制度の活用を検討すべきか?といった部分を前回の記事の補足としてお伝えしたいと思います。
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再採点(リマーク)制度は受験者の権利
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IELTSの基本的な話に戻りますが、IELTSでは各セクションでどのようなパフォーマンスをすればどのバンドスコアになるのかを細かく定めています。ListeningとReadingに関しては正答数に基づいてバンドスコアが決まります。一方、WritingとSpeakingに関しては、Band Descriptorsと呼ばれる採点基準に沿って試験官がジャッジすることになります。
WritingではTask1とTask2それぞれに明確な基準があり、Speakingは全3パートを通した総合的なパフォーマンスを評価するための基準が設けられています。日本語版の採点基準は、以下を参照してください。
- Writing Task1の採点基準(Band Descriptors)
- Writing Task2の採点基準 (Band Descriptors)
- Spaekingの採点基準 (Band Descriptors)
【参照先】IDP Education 公式HPより
この採点基準に則って評価が行われますので、トレーニングを受けた試験官が採点をすれば誰が評価をしても同じスコアになることを前提としています。
これが大原則です。
しかし、人が採点をする以上、主観を完全に取り除くことは不可能ですよね。基準の甘い試験官もいれば厳しい試験官も出てきます。これはどうしようもないことです。
そのため、試験が公平であるために「受験者の権利」としてEnquiry on Results=再採点(リマーク)申請制度が用意されています。
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チェックポイント:どんな時に申請すべき?
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前回の記事でお伝えしたように、申請には費用も時間も手間もかかります。
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スコアが修正された場合は、費用は全額戻ってきます。
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結果を受け取って多少でも違和感を感じた際、「申請すべきかどうか?」を判断するためのチェックポイントをまとめました。
①安定していたスコアが急に下がった時
これまで安定してとれていたスコアが大きな失敗なしに急に下がった場合は、試験官の評価がスタンダードから厳しめにズレてしまっている可能性があります。
Writingでたまたま対策をしていなかったトピックに当たってしまったとか、Speakingで予想外の質問が来て焦ってしまい終始ペースが乱れてしまった…というような大きな失敗がなく、いつも通りのパフォーマンスで急に下がった際には再採点を検討してみましょう。
②1つのスコア修正により目標スコアを満たせる時
違和感を感じているスコアが修正された場合に目標スコアが達成できる…という場合は、違和感の大小に関わらず、申請してみても良いと思います。特に期日が迫っている場合、次の受験でベストが出せるとは限らないので、試す価値はあります。
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筆者は1.0のスコアアップを経験していますが、多くの場合は0.5の修正に留まるという現実も頭に入れて、過度な期待はしないようにしましょう。
経験上、確信のない申請はスコアの修正が行われないケースが多いですが、可能性がある以上、進路のかかった局面では後悔のないように検討しましょう。
逆に、スコア修正が行われても目標スコアに届かないのだとしたら、①のように急にスコアが下がって採点ミスの可能性が高い場合でも、申請する時間と手間を次の試験に向けた対策に当てるべきです。
③1つの技能だけ極端に低い時
他の3セクションで同じようなスコアがとれていて、1つのセクションだけ極端に低い場合は、検討してみても良いかもしれません。もちろん、WritingやSpeakingだけ特に苦手…というのも分かるのですが、他の3セクションで良いスコアがとれているということは語彙も文法も一定以上クリアしているわけです。
多少スコアに差が出るという範囲を超えて、1つの技能だけ極点に低いというのは基本的にはあまりありません。
④スコアが6.0以下の時
以前の記事で、バンドスコアが上がる程にスコアを上げるのが難しくなるとお話しましたが、再採点においても同じことが言えます。
5.5→6.0、6.0→6.5、6.5→7.0、7.0→7.5とスコアが上がる程にその壁を突破するのが難しい=採点者によるミスも起きにくいということです。5.5と6.0のボーダーが微妙でスコアが低く出てしまうことはあっても、6.5と7.0の実力を見誤る試験官というのはそういないんです。
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あとは、バンドスコアが低くなる程、受験者の実力が安定しないので、単純にジャッジがしにくいというのもあります。
6.0辺りだと、Speakingですごく流暢に話したかと思ったら、質問によっては急に単語が出てこないとか。流暢に話せた部分を評価する試験官もいれば、詰まってしまったイメージに引っ張られてしまう試験官もいます。
運要素が評価を分けやすい難しいスコアレンジなんだろうと思います。
6.5以上の場合は、スコアの修正は期待できないことが多いというのを頭に入れておきましょう。
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最後に
いかがでしたでしょうか。
今回のチェックポイントは、1つでも当てはまったら申請すべきというものではありません。「申請する価値があるかどうか?」を考える際の指標として参考にして頂けたらと思います^^
※IELTSやTOEFLに関しては、早い段階で専門の講師の指導を受けることをおススメします。正直、独学では厳しい試験です。現在の英語力にもよりますが、スコアメイクは基本的に時間がかかります。条件付き合格を得てもスコアメイクに間に合わずに志望校に進学できないケースはとても多いです。出来るだけ早めにメンターを探しましょう。
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