受験者に知っておいてもらいたいIELTS特性シリーズの第4弾、今回は「主催元によって異なるサービスを提供している」というIELTSならではのお話です。
国内の受験者が今ほど多くなかった頃から、「中国で受けるとシャープペンが使えるらしい」なんて噂が飛び交っていたIELTS。日本国内で認められている筆記具は鉛筆と消しゴムのみですよね。
実はこの噂、実際その通りなんです。国によって細かなルールに違いがあります。
昨今では国内のテストセンターが増え、国によってではなく、申し込み先によって条件が異なるという状況が生まれています。試験問題や難易度に差はないとはいえ、少しでも自分に合った条件で受験したいですよね。
今回は各テストセンターがどのようなサービスを提供しているのかをまとめました。
関連ワード:IELTS 無料サービス/ライティング無料添削/スピーキング時間選択/IELTS無料対策講座/筆記用具 無償提供
国内のIELTS申込先
さて、以前の記事でもお伝えしたのですが、IELTSの日本国内の運営はとにかく分かりにくいです。
窓口が一本化されておらず、申し込み先が複数あります。
IELTSは、もともとはイギリスで開発された試験制度で、現在は、以下の3つの団体の「共同所有」という形になっています。
- ケンブリッジ大学英語検定機構(問題作成)
- ブリティッシュ・カウンシル
- IDP Education
上記3団体のうちブリティッシュ・カウンシルとIDP Educationが、IELTS普及のためにそれぞれ独自に世界各国の団体とパートナーシップを組み、テストセンターを開設しています。日本でも、ブリティッシュ・カウンシルもしくはIDP Educationに公式認定された各団体がそれぞれ独自にIELTS試験の運営を担っています。
そのため、流派というか、系列というか、【ブリティッシュ・カウンシル系のテストセンター】と【IDP系のテストセンター】があるわけです。さらに、ブリティッシュ・カウンシルもIDPも日本国内で「直営」のIELTS試験も運営しています。
こうした日本国内の全てのIELTSの受験情報を網羅したサイトは存在しないため、各HPを確認して自分に合った条件を探すしかありません。
筆者が調査した限り、2021年11月2022年3月時点の国内の運営一覧は以下の通りです。
※2020年にIDPとパートナーシップを結んだバークレーハウス(東京・市ヶ谷)は、2021年6月でIDP認定公式テストセンターとしての運営を終了し、2021年からUK PLUS(ブリティッシュカウンシルパートナー)と提携してUK PLUSの公式テストセンター(東京)となっているため 、運営一覧からは除いています。
※運営団体様でもし上記に記載がない場合、ご連絡頂ければ追記致します。
近年はIELTS公式テストセンターに認定される団体が増えてきている傾向にあり、日々情報が更新されています。最新情報は必ず公式のHPでご自身でチェックするようにしてください。
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各テストセンターのサービス一覧
では、各テストセンターのサービス一覧です。
IELTSには従来のペーパー形式と新たに開設されたコンピューター形式(CD IELTS)がありますが、この2つはそもそもの受験条件が異なるため、今回は「ペーパー形式」をベースに情報をまとめています。
CD IELTSの解説はこちらから。
サービス特長一覧(2022年6月追記修正)
申込先 | 特長1 | 特長2 | 特長3 | 特長4 | 特長5 |
---|---|---|---|---|---|
British Council(直営) | (ペーパー開催なし) 直営での開催はCD IELTSのみ | ||||
日本英語検定協会 ※British Council共同運営 | 2DAY開催有り (東京/大阪) | 追加成績証明 1ヶ月以内 5通迄無料 | Speaking 時間選択可 ※東京/大阪のみ | ||
UK PLUS (British Council系列) | 無料受験特典付 (試験対策) | 追加成績証明 2年以内 無制限無料 | 留学エッセイ サンプル付 | Speaking 時間選択可 | ランチ代1000円 ドリンク2本付 |
ジーエルアカデミア | (ペーパー開催なし) CD IELTSのみ | ||||
IDP Education(直営) | 無料受験特典付 (試験対策) | 追加成績証明 2年以内 5通迄無料 | 筆記具の提供 | ||
JSAF (IDP系列) | 無料受験特典付 (試験対策) | 追加成績証明 2年以内 5通迄無料 | 結果SMS 通知サービス | Speaking時間 リクエスト可 | 筆記具の提供 |
北九州予備校 (IDP系列) | 無料受験特典付 (試験対策) | 追加成績証明 2年以内 5通迄無料 | 結果SMS 通知サービス | 筆記具の提供 |
まずは各主催のサービス特長を一覧にしました(2021年11月2022年6月現在)。期間限定キャンペーンや、サービスの変更も頻繁にありますので、最新情報は公式サイトで確認するようにしてください。
前述の通り、ブリティッシュ・カウンシル系のテストセンターとIDP系のテストセンターがあります。日本英語検定協会は独自の申し込みシステムを持っていますが、他の団体は申し込みの際にはブリテッシュ・カウンシルもしくはIDP Educationのサイトに飛ぶようになっています。
但し、料金や特典は元のサイトに記載されている情報が適用されます。
逆に、ブリテッシュ・カウンシルもしくはIDP Educationのサイトから申し込みを行った場合でも、選択したテストセンターが直営でなく他団体主催の場合は、主催団体の条件が適用されますので、主催元のサイトで案内を確認する必要があります。
たったこれだけの情報をまとめるにも疲労困憊…。もはや迷路です。
更に随時更新されていく各テストセンターの情報になぜか本家サイトが追い付いていなかったりして、混乱を助長…ご注意。
上の表では、「受けられるサービス」という観点から目立った特長を一覧にしています。
最もパフォーマンスに影響しそうなのはスピーキングテストの時間の自由度かなと思います。
IDP直営と北九州予備校は選択権がなく、主催元から割り振られます。その他は、日本英語検定協会→2DAY開催のオプション有り(東京/大阪のみ)+東京/大阪会場のみ時間選択可(※2022年6月より可能になりました)、JSAF→時間リクエスト可能※、UK PLUS→時間選択可能となっています。
※混雑状況によりリクエストした時間から変更になる場合があります。尚、筆記テスト10日前までに申込みをした場合のみリクエスト可能です。
尚、IDPの公式ページで「スピーキングの時間リクエスト可能(一部の会場)」と記載されているのはJSAF開催を指していて、IDP直営の場合のペーパー試験ではリクエストができませんのでご注意下さい。また、IDP系列は全て筆記用具が配布されます。
ブリティッシュカウンシル系のUK PLUSでは、ランチ代1000円(アンケート回答者のみ)やドリンク2本が付く他に、東京会場であれば受験特典として自習室が利用できます。
試験対策系の申込者限定の無料特典については、日本英語検定協会以外は何かしら特典があり、こちらは別途下記にまとめました。尚、日本英語検定協会のHP上では、受験に関わらず様々な無料ツールが案内されています。
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申込み無料特典(試験対策)一覧(2022年6月追記修正)
申込先 | 無料特典内容(試験対策) |
---|---|
IDP Education | ■マッコーリー大学監修のIELTS無料オンラインコース:1スキル約25時間分(通常有料) ■ ■James小谷講師のIELTS必勝攻略㊙︎講座 無償提供 |
JSAF (IDP系列) | ■マッコーリー大学監修のIELTS無料オンラインコース:1スキル約25時間分(通常有料) ■ ■gymglishオンラインコース45日間無料トライアル ■James小谷講師のIELTS必勝攻略㊙︎講座 無償提供 ■IELTSオンラインセミナー無料受講 |
北九州予備校 (IDP系列) | ■マッコーリー大学監修のIELTS無料オンラインコース:1スキル約25時間分(通常有料) ■ ■James小谷講師のIELTS必勝攻略㊙︎講座 無償提供 |
UK PLUS (British Council系列) | ■ ■IELTS満点講師による4技能徹底解説動画の無償提供 ■IELTS Q&A受講料無料 |
IDP系列の団体では、共通して受けられる特典としてオンラインコースが用意されています。
ブリティッシュ・カウンシル系のUK PLUSではIELTS満点の有名講師による解説動画やIELTSに関するQ&Aコミュニティへの参加特典があります。
【追記】以前までIDP系もUK PLUSも添削系の特典があったのですが、2022年6月現在では、それらのサービスは終了したようです。
最後に
今回は「受験者に知っておいてもらいたいIELTS特性シリーズの第4弾」ということで「主催元によって異なるサービスを提供している」というIELTSならではの状況をまとめました。
各テストセンターで様々な工夫がされていて受験者への配慮を感じる一方で、むしろどこで受けても全く同じ条件で受けられることの方が試験制度としてはベターなのではと個人的には思っていますが…。
細かい違いも含めると情報を精査するだけで一苦労です…。ただ、自分にとってベストな条件で受けるにこしたことありませんので、今回の記事がみなさんのお役に立てれば幸いです^^
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