この記事では、仕事をする上でとても重要な「目標達成のために完璧主義を捨てる」ことについてお話します。
筆者はこれがなかなかできません…。
常に自分に「70点で発進する勇気のある人だけが目的地に辿り着くんだ」と言い聞かせて仕事を進めています。適当にやって、結果70点くらいで落ち着けば良いよ…という話ではありません。成果を出すためには、70点主義が必要だということです。
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100点を求めているリーダーはいない
さて、あなたが企業で働く会社員なら、必ず上司がいますよね。
評価という意味でも組織という意味でも、上司に認めてもらうことは会社員として1つの大切な指標です。まだ実績のない社員ほど、認めてもらうために必死になって頑張っているはずです。
100点の報告書や企画書、100点のプログラミング、100点の設計書…。上司にダメ出しされない完璧な仕事をするために細部まで気を遣って時間をかけて仕事に取り組んでいませんか。
まず、上司はそれを求めていません。
なかなか上がってこない報告書は、即座に知るべき情報が届かず時間が経つ程に価値がなくなります。あなたが悩み抜いて書いた設計書は、実は他にチームとして解決すべきもっと大きな問題が潜んでいたりします。
70点で良いので、まずは仕上げて上司に共有し、ダメ出しを受けて改善していく方が実はよっぽど効率的な仕事の進め方だったりするのです。
そして、それを繰り返すことで、あなた自身の能力も上がり結果的に良い仕事ができるようになります。
完璧=100%は存在しない
勿論、より良い仕事をしようとする姿勢は大切です。
仕事において大前提ですよね。
でも、完璧って何ですか?100点とは、何を持って100点なんでしょう?
これは実は、「あなたの現在の能力で考えられる全ての課題をクリアした地点」に過ぎないんです。結局、完璧主義と言うのは自己満足の世界なんですよね。言い換えると、「個人のこだわり」だったりします。
色々なレベルがあって、色々な価値観がある。
評価というのは価値観によるものなので、どれだけレベルが高くなっても、仕事において「完璧」というものは存在しません。仕事って、常に評価が伴うものですから。それが上司からでなくても。
上司からすると、部下が目指す100点って、結局60点くらいなんです。
指導しなければいけない所が満載で、だからこそあなたの上司なのです。
なので、自分のこだわりによって3日提出が遅れた実質60点の仕事と、自分的に70点だけど期日に仕上げた実質55点の仕事くらいの差です。どちらが早く成長し、成果につながる仕事ができる人材になるかは明白ですよね。
自分の能力という範囲においても、最大限やりきりたい気持ちは分かります。それが時間的制約の中で可能であれば、そうすべきです。
ただ、それが難しいことを私たちは分かっていますよね。「完璧は存在しない」からです。
考え出すと、あれもこれも気になりだして、終わりが見えなくなるものです。
時間的制約とパフォーマンスの妥協点が70点というところではないでしょうか。
70点を目指すと「効率」が上がる
では、70点という妥協点って、どんな状態でしょうか。
仕事をやりきりたい人にとって、70点と言われても微妙な気持ちになるかもしれません。でも実は、メリットの方が大きいんですよ。
Done is better than perfect :マーク・ザッカバーグ(facebook 創業者)
Done is better than perfect…FB社を創業したマーク・ザッカバーグ氏の言葉とされています。「完璧を目指すより、まずは終わらせろ」ということです。世界中から優秀な人材が集まるFB社が「完璧を目指すと仕事は終わらない」と言っているわけです。
最初から完璧を目指すことの弊害は、小さな箇所にこだわって、仕事が先に進まないことです。全体像が見えるまでに細かな修正をしすぎて、全体像を見失うリスクもあります。
そして最後まで完璧を目指すことの弊害は、仕事が終わらないことなのです。
耳が痛いですよね。思い当たる節…誰でもあるはず。筆者は耳が痛すぎて病院行きレベルです。
では、70点を目指した場合はどうでしょうか。
まず、小さな点にこだわって先に進まない…という状況を回避しやすくなります。とりあえず完成させて、後から修正しようと思えるからです。
何でも「たたき台」を作ることが重要なんです。
全体像が見えて頭が整理しやすくなり、そこから議論がスタートします。仕事のできる人や成果を意識している人は、この点を理解しているので、スピード感を持って70点で仕上げてきます。
「たたき台」って、なんだか自分の案が叩かれている(批判されている)ようで嫌な気持ちになる人もいるかもしれません。でも、漢字で書くと「敲き台」、新たな製品を生み出すための土台ですよ^^
ソフトウエアやアプリの「更新(アップデート)」ってありますよね。あれも、まずは発売日にリリースして、その後にユーザーの声を聞きながらバグを修正したり機能を改善したりしていくわけです。更新回数を振り返ると、リリース当初なんて単なる不良品にさえ思えてきます。でも、世界的にヒットして誰もが知っているソフトやアプリでも、そんなものなのです。
そう思うと、少し気持ちが楽になりませんか^^
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成功している人は必ず失敗している
もうお気付きだと思いますが、70点という仕事は、その後の修正、つまりトライアル&エラー(Trial and Error)を前提としています。70点で完結するのではなく、70点で仕上げて一旦その仕事を手放し、他者からのフィードバックや実験を経て100点に近づけていくという方法です。
世の中を見渡すと、「成功者」と言われる人達がいますよね。こういった人達は、必ず失敗を経験しています。というよりも、成功するために失敗を恐れずに世の中に発信(発売)して、そこから学びを重ねて成功者という地位にいるのです。
最初から完璧を目指していつまで経っても製品をリリースできない企業は成功しようがありません。
Youtuberの「ヒカル」をご存知ですか。
登録者450万人超の人気ユーチューバーですが、その知名度を生かしてアパレルや美容業界に進出し実業家としても活躍しています。彼はまさに70点主義の天才で、批判を恐れずに次々と新規事業を発表し、その批判をしっかり分析して改善し、顧客の信頼を勝ち取っています。
簡単なようで、並みの精神力ではできません。
自分の名前が表に出た状態で批判を受けるというのは、精神的にかなりキツいものです。でも、活躍している人というのは、その一時の批判ではなく、その先の成功を見据えてトライアル&エラーを繰り返しているんです。
70点主義が目標達成に必要な理由
結局、あらゆる段階で「完璧」という自分の中のこだわりに縛られすぎると、本当のゴールが見えなくなります。
「完璧主義」というと、いかにもキチンとした印象に思えるかもしれませんが、仕事上の小さな問題に固執したり批判を恐れることというのは、どちらかというと「不安症」とか「神経質」に近いですよね。
この点をまず自覚しないとダメです。
「PDCAサイクル」ってありますよね。
Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字を取ったもので、品質管理の父といわれるW・エドワーズ・デミングが提唱した継続的に品質を改善管理する手法です。
目標を達成するためには、仮説を立てて(Plan)、それを実行し(Do)、批判やフィードバックを受けながら(Check)改善していく(Action)ということです。
これを何度か繰り返して成功(100点)に近づくもので、Doの段階で完璧を目指す必要はないのです。
というよりも、目指す意味がないのです。
その時点では見えないものが、後工程で見えてくるものなのです。
完璧主義を自覚している人は、「手放す勇気」を持ちましょう。それが目標達成への近道です。
最後に
いかがでしたでしょうか。
今回の内容は、筆者自身、仕事をする上で常に意識するようにしていることです。
会社員として毎月お給料をもらうという働き方から、起業家として自分で仕事を生み出して所得を得るという働き方に変わったことで、尚更70点主義の重要性に気付いた気がします。
この記事をまとめていて、昔の上司や仕事で出会った何千人もの配下を従える管理職の方々の言葉が蘇りました。仕事を通じての出会いにはとても恵まれたと思っていますが、当時は「完璧を目指すことの何が悪いの」と反発していたものです。
厄介な人です。
このサイトの読者の方は、「ビジネス」「仕事術」といった分野だけでなく「英語力向上」にも関心がある方が多いかと思います。今回お話した「完璧主義」というのは、英語力の向上を語る上でも常に邪魔者とされているマインドセットなので、もはや自虐ネタになりますが、別記事にまとめましたので、ご興味あれば読んでみて下さい。
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