以前の記事で、英語学習における「明確な目的を持つことの大切さ」について解説しました。
目的が漠然としている程に上達は難しくなること、明確な目的(ゴール)を設定したらそのゴールを達成するための綿密な戦略を立てることが大切という内容でした。
一方で、「目的がないけど長く英語学習を続けている」「英語は好きだけど明確な目的がない」という方は多くいます。
英語は好きだけど、目的を問われると答えられない。
それがNGかと言うと、もちろん個人の自由なのでNGではありません。趣味の範囲ですよね。筆者も目的意識なく続けている趣味ってあります。ゴルフとか。特に目標スコアもなく、たまに打ちっぱなしに行ったりコースに出たりするゆる~い趣味です。
でも、英語に関しては、「上達したい」という思いが少なからずあるはずです。また、趣味であっても目的が設定できれば英語学習はより楽しくなります。
筆者のゴルフもそうですね…。
ダラダラやっているので10年近くほぼ上達していませんが、目標スコアを設定してそれに向かって練習するのは楽しいでしょうし、目標を設定していたら、今頃かなりの腕前なのではと思います 笑
ということで、今回は目的を見つけるための自己分析ツール「マインドマップ」をご紹介します。
関連ワード:英語が上達しない人の特徴/英語が好きなのに話せない/好きを追求する/好きなことは続けられる
英語の世界は果てしない
まず、一言で「英語」と言っても、その世界は果てしなく広いです。
英語圏の人々は、その言語を使って世の中に存在する全ての事柄を表現するわけです。
それが「言語」ですよね。
単語学習一つとっても、
- 来日する観光客を案内するため
- 英語圏を旅行する際により楽しむため
- 英語のECサイトで買い物するため
- 海外ドラマを字幕なしで観るため
等々、その目的によって学習すべき単語の範囲は変わってきます。
観光客を案内したいなら日本のことを英語で説明するための語彙が必要ですし、旅行で使いたいなら空港内の施設名や移動手段の表現方法が必要です。海外ドラマにしても、ロマンス、医療系、犯罪推理系なのかで使われる語彙も言い回しも変わります。
国や地域によっても使われる単語が違ったりしますよ。
また、観光客を案内するためには「コミュニケーション」が必要ですが、海外ドラマを観るためであればリスニング力をメインに鍛えていくことになりますよね。
やることが全く変わってきます。
広すぎる「英語」という世界で、いきなり全てを攻略するのは不可能です。
まずは好きなこと、興味のあることに照準を絞ってレベルを上げましょう。
「目的」というと大げさに聞こえるかもしれませんが、英語学習における「テーマ」を設定するとイメージしてください。
もちろん、基礎的な英語力という点ではやることはほぼ同じです。基本的な文法をおさえること、初中級レベルの単語の意味と使い方を知ることは目的地がどこであれ共通です。
「上達」というのはその後の段階です。「上達」において欠かせないことは反復練習です。
こちらの記事でもお伝えしましたね。「量質転化の法則」です。
上達したいなら、量をこなすことが必要なんです。
これはテーマがないとなかなか続きません。逆に、自分の好きなこと、興味のあること、こうなりたいと願っているテーマであれば反復練習という地味な作業も楽しめるはずです^^
マインドマップとは
では、本題。
「英語学習における目的=テーマを見つけられない」という方へ。
「自分はどんなことに興味があって、何を楽しいと思うのか」をあぶりだす【マインドマップ】というツールをご紹介します。自己分析ですね。
自分のことって意外と分からないものです。
マインドマップとは
マインドマップは思考や嗜好を整理するツールです。
自分の頭の中に散らばった情報に対して、メインテーマ(探りたい概念)をベースに放射線状に情報を広げて脳内の地図のようなものを作って思考をビジュアル化します。
上の画像のようなイメージ。蜘蛛の巣みたいな。
「蜘蛛」ってワードだけでゾワゾワする…。虫いなくなれ…。
ビジュアル的に、なんとなく見たことがある人も多いのではないでしょうか。
真ん中のサークルがメインテーマです。
そこからいくつかに情報が枝分かれし、更に枝分かれしたサークルからどんどん情報(思考)をつなげていきます。
開発者の意図
このマインドマップを開発したのはイギリスの教育コンサルタントトニー・ブザン(Tony Buzan)です。
当時、「脳の力を最大限に引き出すノート法」※としてこの蜘蛛の巣のような形が発案されたんです。
※ トニー・ブザン著(田中 孝顕 翻訳) 「人生に奇跡を起こすノート術―マインド・マップ放射思考」より
ノートをとる場面を思い浮かべてください。
線の引かれた紙の上で左から右へ情報を書き込んでいきますよね?
トニーによると、この方法では左脳に訴えかけるのみで脳の力のほとんどを無駄にしているそうです。
一方、放射状に情報をどんどん広げて視覚的に訴えるマインドマップでは、左脳と右脳の全脳力を効率よく最大限に引き出すことが可能なんだそうです。
今回は「自己分析」という観点からマインドマップを紹介していますが、本来、使い方はそれに限ったものではありません。
マインド・マップ作りをマスターすれば、これまで眠っていた潜在脳力がフルに引き出され、人生のどのような場面でも、どのような分野でも、それまでとは打って変わった脳力を発揮することができるようになる。
トニー・ブザン著(田中 孝顕 翻訳) 「人生に奇跡を起こすノート術―マインド・マップ放射思考」より
どうして自分を発見できる?
マインドマップは左脳と右脳の全脳力を最大限引き出すんですよね。
では、左脳と右脳の働きってなんでしょう?
- 意識脳
- 分析的、理論的
- 言葉で考えて、言葉で情報を伝える
- 無意識脳
- 感覚的、直観的
- イメージで情報を伝える
- 理屈抜きの好き/嫌い
左脳は意識脳で、文字情報や言葉で理論的に考える脳です。
一方で右脳は無意識脳で、感覚的・直観的にイメージで考える脳です。
「英語学習の目的が分からない」という場合、英語ができることのメリットは分かっているけど、自分に当てはめた時にピンと来ないということですよね。
それって、理屈抜きの自分の「好き」という部分にアプローチできていないからです。
メリットは把握していて、ぼんやりなんとなく英語が好きな状態。それを突き詰めるには、左脳も右脳もフルで使って脳内をじっくり見てみる必要があります。
それが、マインドマップなんです。
マインドマップの書き方
さぁ、自分の「好き」を発見してきましょう!
マインドマップの書き方です。
12のルール
トニーはマインドマップについて12のルールを定めています。
非常にシンプルなルールではありますが、全部守らなけばいけないと考えるよりも、あまり堅くならずに気楽に楽しみながらやっていきましょう^^
マインドマップ12のルール | |
---|---|
無地の紙を使う | ブランチは曲線で |
用紙は横長で使う | 強調する |
用紙の中心から描く | 関連づける |
テーマはイメージで描く | 独自のスタイルで |
1つのブランチに1ワードのみ | 創造的に |
ワードは単語で書く | 楽しむ! |
書き方:自分の「好き」を見つけよう!
今回の場合は「英語」ですね。
メインテーマから枝分かれしていく感じです。
関連キーワードを追加してつなげていくこの線を「ブランチ」と呼びます。「Branch=枝」そのままですね。
例えば、メインテーマである「英語」から→「交流/旅行/友人/転職/TOEIC/海外ドラマ」と直感的に思いつく関連ワードを出すのがSTEP2。「交流」から更に→「SNS/英語サークル/英語スクール/留学」と分解していくのがSTEP3です。
分解したワードからも更にどんどんブランチを広げていって下さい。思いつくキーワードがなくなるまで、全て出し切りましょう!
ひたすら出し切ることが大事!限界まで!
出し切った後は、Mapを整理していきます。
「ワクワクするものはオレンジ色」「気持ちが上がらないものには青色のペンで囲う」「何度も登場するワードは強調して目立たせる」「関連の高いものは移動して近くにまとめる」「今の自分に手が届きそうなことを近くに、無理そうなことを遠くに配置してみる」…etc.
整理の仕方は自由です!とにかく自由!
自分の脳内の整理なので、楽しくお絵描きします。
全ての作業が終わったら、描いたMapを俯瞰して眺めてみましょう。
整理作業が終わった状態というのは、「英語」をいうキーワードに対する自分の脳内について理解が深まった状態です。何をして楽しいと感じるのか?ワクワクするのか?
それはもしかしたらTOEICのスコアかもしれませんし、英語圏の友人が欲しいのかもしれません。
自分の英語学習におけるテーマ、見つけられそうですよね^^
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最後に
いかがでしたでしょうか。
「英語が好きだから勉強しているけど、明確な目的がない…。目的がないから、なかなか上達しない…」
今回はそんな人に向けて、自分の思考と嗜好を分析して目的を見つけるためのツール【マインドマップ】を解説しました。
目的意識ができればモチベーションも効率もグンと上がります。紙とペンさえあればすぐにできるのも良いですよね。
ぜひ「自分の脳内」、描いてみてください^^