- 海外MBAの入試はどれくらい難しいのか?
- 準備にどれくらい時間がかかるのか?
- どの程度の英語力があれば授業についていけるのか?
筆者は英国フルタイムMBAで学位を取得していますが、「海外でMBAを取得することの難易度」について本当に良く質問を受けます。
実は答えは一言「ビジネススクールのレベルによる」です。
勿論、日本人の場合、帰国子女等で英語にアドバンテージがある場合を除いて受験者の英語力がまず問題になります。「現時点の英語力による…が答えじゃないの?」と思いますよね。
受験を決めた時点でIELTS4.0の人とIELTS7.0の人では、攻略難易度が全く違いますからね。TOEFLだとTOEFL45と100くらいの差でしょうか。
しかし、それを上回るレベルで難易度を大きく左右するのは結局ビジネススクールのレベルです。
海外MBAを検討しはじめた段階で、英語力は大前提として難易度を検討するという思考に切り替わるんですね。国によってもビジネススクールによっても求められる条件も難易度も倍率も異なります。
…前置きが長くなりました;
以上が「真実」なのですが、みなさんが知りたいことは「一般的にどうなの?」ということだと思うので、条件を設定して考えてみたいと思います。
難易度レベルは5つ星で記し、1つ星が最も易しく数字が上がる程に難易度が高くなります。
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難易度を考えるための前提条件
まずは簡単にここで言う「海外MBA」の前提条件を設定してみます。
- 英語圏のビジネススクールであること
- MBAの3大世界ランキング(FT,QS, Economist)でTOP50前後まで
- 超TOP校を除く
- 代表的な3つのMBA国際認証(AACSB/AMBA/EFMD)を取得している
あまり絞っても意味がないので、一般的なMBAというと、こんな感じでしょうか。
ランキングは超TOP校以外は毎年結構変動するのと、ランキングを発表している機関の指標によってかなり順位が変わるのでざっくりと。
また、質問の趣旨をふまえて、日本で生まれて日本で育ち、日本の大学を卒業した人を基準にして難易度を考えます。
独断と偏見で以下の5つの角度からみていきたいと思います。
- 英語の難易度
- 入試の難易度
- 授業(講義)の難易度
- 授業(ディスカッション)の難易度
- 単位取得の難易度
筆者は英国MBAしか経験していませんので、その点で見解に偏りがあるかもしれませんが、ご容赦を。尚、筆者のMBA受験対策前の英語レベルは、TOEIC600程度の平均的な大卒レベルです。
①英語の難易度★★★★★
いきなり星5つです。
やはり海外MBAとなると日本人にとって最大の難関は「英語」です。
入試の難易度にも関連しますが、一般的にTOEFL100もしくはIETLS7.0がミニマムの出願条件になります。英語のスコアが求められる場面において、海外MBAのレベルは最高峰といっても良いのではないでしょうか。
このレベルは「最低限クリアしていなければならないレベル」であって、実際のMBAで求められる英語力というのはこのミニマムスコアの比ではありません。
必死で対策をして何とか出願条件をクリアしたレベルだと、クラスメイトの中で英語力という点において圧倒的に劣勢ですし、何をするにも常に英語力がネックになってもどかしい思いをします。
日本人のMBA留学の場合、まず「いかにして英語スコアを達成するか」が最初のポイントになりますよね。思い返してみると、MBAが始まってからIELTSもしくはTOEFLが話題に上がったのは中国人のクラスメイトの中でも特に英語が苦手だと言っていた2人だけでした。クラスの規模からすると数%です…圧倒的マイノリティ。基本的に「英語が出来て当たり前」な環境なので、英語の試験は話題にもなりません…。
勿論、周りがみんなネイティブかというと全く違うんですよ。筆者のクラスの純粋なネイティブの割合は25%程度でした。
但し、第二外国語だとしてもインドのような準ネイティブ層や、アジア圏でも英語が数ある公用語の内の1つだったりと、「英語との距離感が日本人とは全く違うパターン」が多いです。そうでなくても、高校・大学が英語圏だったとか、これまでのキャリアで英語を使用してきた人が殆どで、MBAに来て初めて実戦で英語を使う人は稀でした。
ここが他の大学院留学と異なる点だと思います。
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②入試の難易度★★★★
星4つです。
これは難易度判定がとても難しかったです。
「受験対策」という意味での最難関は、GMAT(もしくはGRE)という入学適性試験だと思います。
Verbal(英語)、Math(数学)、AWA(ライティング)、Integrated Reasoning(総合推理)の4セクションで構成され、勿論すべて英語で出題されますが、ネイティブでも高得点をとるにはかなり苦労する試験です。
IELTSやTOEFLとは比較にならないくらい難しいです。
その意味では「英語の難易度」と同等か、それより高くても良いわけですが…。
ただ、入学選考においてスコアよりも重視されるのは選考の時点では既に変えようのない「受験者のバックグラウンド」であり、それを如何にアピールできるかです。経歴・実績によってはGMATスコア免除も有り得ます。また、入学後、同じ条件で合格したクラスメイト達と対等に渡り合う際のネックが「英語」になることをふまえて、1つ星を減らして4つ星としました。
MBAの入学選考は統一試験のような明確なものがあるわけではありません。書類選考とインタビューを経て総合的に合否が判定されます。
基本的に海外MBAの入学選考の流れは以下の通りです。
- 英語力証明のためのスコア(TOEFLやIELTS)
- GMATもしくはGREのスコア
- エッセイ(志望動機etc.)
- 推薦状1~2通(職場の上司や出身大学の担当教授)
- 大学時代の成績(GPA)
- CV(職務経歴書)
TOEFLやIELTSは「出願条件」であって、求められるレベルに達していないとそもそも入学資格がないですが、高得点だからといって有利になったりもしません。最低限の英語力を証明するものですね。
面接官とのインタビュー(オンサイトorオンライン)
※面接官の人数や回数はスクールによります。
1対1のケースも複数の面接官のケースも経験していますが、人数によってどちらの難易度が高いといったことはありません。相性ですかね。筆者の場合は、複数人の方が和気あいあいとしていて緊張が解れました。
受験準備段階は元々の英語力がないと「死闘」そのものです。
各試験のスコアメイクは勿論、エッセイもインタビューも全て英語です。言語のハンデを補い、書類のみで自身をアピールするために提出書類はしっかり作りこむ必要があります。
MBAの出願準備には一般的に1~2年は必要だとされています。
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③授業(講義形式)の難易度★★
これは星2つです。
全て英語で行われる…という点を除けば、授業(講義)自体の難易度はそう高くありません。予習をきちんと行えば付いていけないということはまず無いと思います。
経営系の学部を出ている人であれば、既に知っている知識も多いでしょう。
MBAの一般的な入学要件として、少なくとも数年のマネジメント経験が必要な場合が殆どですが、スクール側は、クラスの中で経験や専門性が多種多様になるように選考しています。
会社員もいれば経営者もいて、会計士や技術者や弁護士や医師もいます。
そのような異なるバックグラウンドを持つ生徒達が「ビジネスリーダーに必要な知識やスキル」を学ぶ場がMBAです。つまり、米国2年制であれ英国1年制であれ(※)、プログラムの最初のステージではビジネスにおける幅広い分野の基礎的な知識を一通り学びます。
※スクールにもよりますが、一般的に米国のMBAは2年、英国は1年制です。
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④授業(ディスカッション)の難易度★★★★★
これは英語の難易度と同様に星5つです。
ネイティブを中心にかなりのスピードで繰り広げられる白熱した議論に対等に参戦するのは、はっきり言って相当厳しいです。
発言どころか…、ネイティブ同士が白熱し出すと、言っていることを理解することも難しくて泣きそうになります、、、
講義も課題もプレゼンも、事前に準備ができるので何とかなります。良い成績をとることも可能です。が、こういった場面は場数を踏むしかありません。また、1年や2年で何とかなるものでもありません。
かと言って黙って座っているだけということも出来ないので、何かしら自分が貢献できそうなことを必死で探します。発言者でなく補助に回って要点をまとめる振りをして何を議論しているのかを確認したりして…。
各スクールでディスカッションでの貢献度がどれだけ成績に反映されるかは幅がありますが、重視される場合はかなり努力が必要です。
ディスカッションと言っても、例えば、グループで課題に取り組む…という類の授業なら本人のスキル次第で大いに貢献可能です。
数値の分析に回ったり会計知識を活かして意見が出来たり。とても重宝されます。グループ内であれば意志の疎通がスムーズなので、比較的楽に入っていけると思います。問題はクラス全体のディスカッション自体がメインのパターンです。
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⑤単位取得の難易度★★★
星3つです。
授業が月~金まで毎日朝から晩まであって、授業の後はグループワーク、更に締め切りがタイトな課題の提出が重なる…という死にかける時期もありますが、「単位をとる」ということだけであれば、きちんと努力してさえいれば、さほど難しくはないかと思います。
プログラム前半は、どの程度のレベルでどれくらいの成績がとれるのかという感覚が全くないので、日々プレッシャーを感じながら過ごすことになるとは思います。ただ、それは日本人だけでなく、他のクラスメイト達も同じです。むしろアメリカ勢がその点をすごくシビアに考えていて、ピリピリしていた印象があります。
MBAは、ネイティブにとっても「未体験のアドベンチャー」です。最初の試験期間を無事終えるまでは、誰もが手探りな印象でした。
単位を落とさないかどうかよりも「良い成績を残せるか」という点にシフトしていくと思います。
最後に
いかがでしたでしょうか。
「海外MBAってどれくらい難しいの?」という点についてざっくりお答えしてみました。難易度もさることながら、費用的な負担も時間的な負担も大きく、簡単に決断できる進路ではないと思います。
「費用に見合ったリターンが得られるのか?」「帰国後のキャリアの見通しは?」「年齢的に難しいのではないか?」等々、たくさん不安がありますよね。筆者もそうでした。今後、そういった点についても一つずつ記事にしていきたいと思います。
コロナも落ち着いてきて、留学を再検討しはじめる方も多いのではないでしょうか。準備の段階で気になる点や不安な点があれば、お問合せフォームからお気軽にご連絡ください^^
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