【女性視点のMBA】海外MBAを検討している女性へ

さて、今回は「海外MBAを検討している女性たち」に向けて何かヒントになればと、筆者なりの思いをまとめてみました。日本人で海外MBAを検討する場合、メインは大体20代後半~30代半ばという時期になるかと思います。

Tina

28~32歳辺りが多い印象ですかね。

男性も勿論ですが、女性にとってこの時期というのは人生について色々と考える時期ですよね。筆者が実際にMBA留学をして感じたこと、留学を決める前に悩んでいた点などをシェアしたいと思います。

Tina

具体的である程イメージがしやすいと思うので、リアルにお伝えします。万人共通ではないですが、1つのサンプルとして捉えて頂ければと思います。

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目次

MBA留学を考え始めた時期

筆者がMBA留学を考え始めたのは31~32歳の頃です。

責任ある役職を与えられて、信頼のおける会社のメンバーと毎日忙しく働いていました。当時は仕事が楽しく、上司やクライアントに喜んでもらえることが嬉しくて、ワーカホリックが如く土日もPCを開かない日は殆どなかったように思います。

Tina

もちろん辛いことや大変なことも沢山ありましたが、やりがいの方が上回っていました。

そんな中、働き始めてもうすぐ10年を迎えるというタイミングで、自分は何者なんだろうと考えるようになりました。

筆者の前職はものづくり業界の技術系のコンサル営業です。

自動車であったり電気製品であったり、はたまた巨大なインフラ設備であったりと、生み出すものは違えどそこには開発を支える技術者達がいます。そんな彼らに必要な教育やツールを導入したり、コンサルプロジェクトを提案したりする仕事です。

当然ながら周囲はみんな第一線で活躍する技術者達。人の生活を支えたり、時には生活を一変させるような製品を生み出す技術者達。技術者達へのリスペクトが仕事のモチベーションになっていましたが、一方で、焦燥感というのか劣等感というのか、スペシャリスト達に囲まれて働く中で、このままでいいのだろうかという感情を抱くようになっていました。

技術系の現場というのはある種特殊な環境で、調整力や交渉力が実力以上に評価される環境のように思います。単に珍しいのでしょうね。誤解を恐れずに言うと、女性であるということもアドバンテージになります。

でも、調整力って何で測るのでしょう。交渉力はどんな場面でも有効なんでしょうか。良い営業って何でしょう。

Tina

なんだか曖昧なスキルですよね。

私の経験や実績は理に適っていて、将来に繋がるものなんだろうか。そんなことを考えていたら、これまでやってきたことを理論と照らし合わせて答え合わせをしたくなったんです。

正直に言うと、答え合わせをしなければならなくなったという方が正しいです。仕事においても人生においても、今後どう生きていくのか決断しなければいけないタイミングでもありました。

棚卸しをせずには先に進めない状況でした。

Tina

今思えば、流れに身を任せて仕事を続けていても、何かしらの答えに辿り着いたのかもしれません。でも当時は、10年という節目もあり、今後自分の力で道を切り拓いていくための「何か」が必要だと考えていました。

調整力や交渉力が自分の武器なのだとしたら、今後その舞台を広げてくれるのは語学力なのではと考えたところで、2つの線が重なったところがMBA留学だったんです。

その頃、前職のプロジェクトの一環で技術系の解析ソフトの会社立上げに携わり、責任者として海外のソフトウェアベンダーとやり取りをするようになっていました。そこで、もどかしい思いをしていたことも大きかったと思います。

技術者達は英語が出来なくても能力を発揮できますし、活躍できます。語学力はあるに越したことはないけれど、それ以上に専門知識やスキルが物を言います。そもそも、理系の分野というのは、プログラミングのコードにしてもメカ系の設計図面にしても、それ自体が共通言語です。

技術は言語の壁を超えるわけです

一方で交渉力や調整力といったスキルはどうでしょうか。相手が日本人でなくなった途端に、全く使い物になりません

もちろん、日本国内でも活躍の場は沢山あります。でも、30代前半の時点で、今後の活躍の場を日本国内だけに限定する選択はとても窮屈に思えました。また、ソフトウェアのプロジェクトだけでなく、海外とのやり取りは日々確実に増えてきていて、国内にいたとしても調整役として英語がハンデになることも痛感していました。

曖昧なスキルだと思っていたことを体系的に学び直し、英語というツールを手に入れることで、「自分はジェネラリストだ」と堂々と言える自信が得られるとも思いました。

Tina

語学力も、経営やビジネスの知識も、「日本国内で働きながら学ぶ」ということも出来なくはないですが、筆者の場合は海外MBAを選択しました。環境が許すならば、一番手っ取り早いと思います。特に英語のバックグラウンド(留学や海外滞在経験等)がなかった筆者のようなケースは、海外MBAで揉まれるくらいのキツい経験がないとなかなか身に付きません。選択の規模感は、【現状から目的地までの距離】によるかなと思います。

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女性のライフプランとMBA留学

筆者の場合、考え始めた年齢が既に30代前半で、実現までに仕事の引継ぎも含めて数年はかかることを考えると、時期的には遅い方でしょうか。

MBA留学というとまず語学力が問題になりますが、当時TOEIC5~600程度の平均的な大卒レベルで、海外経験と言える程のものもなく、「だからこそ意味がある」と考えてはいましたが、それなりの準備期間を覚悟する必要がありました。

Tina

当時仕事で海外とやり取りする際は、簡単なメールのやりとり以外は全て通訳を介していました。

MBA留学が実現できるのは30代半ば、本当に決断してしまって良いのか非常に悩みました

転職市場における年齢の壁

筆者の場合、前職の後任を探して引き継ぐのが簡単ではない事情があり、辞職の意を伝えてからも一年程度は会社に留まる必要があったのですが、その間にもまだ揺れていたことを覚えています。

費用や在学中に収入がなくなることよりも、国内のチャンスを逃すことになるのではという点ですかね。

辞職を決めてからも「30代前半であればポテンシャル採用枠が多くあるが、留学後はまた別次元で戦うことになる」と、留学でなく国内での転職を勧めて下さる方もいて、声をかけて下さる会社もありました。

このチャンスを逃して良いのかと迷いました。

Tina

「20代後半でのMBA留学」との違いはここにあるでしょうね。日本では現実問題、年齢の壁があるというのを痛感しました。20代後半で迷われている方で、国内での就職を考えているなら、数年先延ばしにするよりも、すぐ行ってしまった方が良いです。帰国後の選択肢が増えるというか、内定の難易度が下がります。

これは男女に関わらず、30代以降は数年の重みが変わるんです

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留学後に同じ職場に復帰して留学で得たスキルを活かすというパターンであれば、また違ってきますね。

ただ、筆者の場合はその選択肢はありませんでした。

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日本人女性としての生き方

もう一つは、日本における女性としての生き方との乖離です。

社会人になる前から慕っていたある企業の役職付きの方に留学の話をしたことがあります。実行力のある尊敬できる方でした。相談という程の込み入った会話ではなかったのですが、「MBA留学なんて行かずに良い相手を見つけて結婚して子供を産め」と言われ、悲しくなったのを覚えています。

価値観は人それぞれですから、心配してくださっていることも理解できます。

Tina

愛する人がいて、その人との子供を授かる。とっても素敵なことだと思います。

でも、、、なぜか2択を迫られます

パートナーの有無、既婚未婚、子供の有無も、MBA留学とは直接関係ありません。因果関係にないはずです。逆に、留学を諦めればそれらが手に入るのでしょうか…。

頭では分かっていても、こうした価値観に触れていると、MBA留学が女性として多大な機会損失をしているのだと感じてしまうんです。例えばパートナーがいて、留学が二人の未来の障害になるのなら、パートナーと一緒に良く話し合って結論を出すしかありません。

でも、そうでないなら、自分ではコントロールできない未来のことよりも、努力次第で叶えられる目標を追う方が自分らしく生きられると思いました

筆者には兄がいて、このもどかしさを吐き出した時にこう言われました。

MBA留学をする人生としない人生、どちらの人生が良いかで答えを出せば良い

とてもシンプルですが、ストンと胸に落ちました。これまでの経験も人生の目標も背負っているものも、一人として同じ人はいません。価値観も人それぞれですし、人の内面の問題は表からは分かりません。

Tina

その人にとって何が良いかなんて、本人以外の誰も決められないんです。

パートナーの仕事の関係でどうしても日本を離れられない、子供を連れて行くことが出来ない…そういったハードルは実際ありますよね。子連れでMBA留学をしている人も沢山いるのですが、簡単でないことも理解できます。その場合は、オンラインであったり、または人生の別のタイミングで挑戦するのも一つです。

30代半ば頃までの年齢層が多いと言っても、40代でも50代でも目的を持って参加している人はいます。

人それぞれです^^

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いま迷っている人へ

MBA留学を終えて、留学前に悩んでいたことについて振り返ると不思議な気持ちになります。

国内の転職市場における年齢の壁は未だあるのでしょうが、MBA取得後は、転職市場が日本だけでなく英語圏全体に広がるので、日本市場はその内の一つとして冷静に捉えることが出来ています。

そもそも筆者の場合は、転職でなく起業という留学前にはなかった選択をしています。

Tina

今後またどうなるかは分かりませんが。

女性としての生き方についても、世界各国の多様な価値観に触れて、素敵な女性達に出会って、なんとなく生き辛かった感覚はスーっと消えたように思います。

思い返すと、留学をするかどうかという悩みの次は、希望のスクールに受かるかどうか、入学後はクラスのレベルについていけるかどうか、さらに満足のいく英語力が身に付くのかどうか…と、兎に角1つ1つ不安やハードルを越えていかなくてはいけない数年間でした。

でも、ハードルを越えたからこそ見える景色があります。

目標に向かって頑張った日々と、MBAで出会った友人達は一生の財産です。それを持たない自分を今は想像すらできません。

女性だからこそのMBA

MBAというのはある一分野に特化した学問ではなく、ビジネスリーダーに必要な知識や資質を養う場です。

結婚や出産といったライフスタイルの変化で自分のキャリアを中断する可能性の高い女性が、わざわざ海外MBA取得を目指す必要があるのか…という議論になることがあります。

Tina

まだまだ女性管理職の少ない日本ではこの風潮が強いですよね。

これに関しては、全く逆だと思っています

キャリアプランを描きにくい、または状況により変更せざるを得ないケースが多い日本人女性にとって、海外MBAは一生有効なアセットです。どんな分野であれMBAの知識は活かせるものですし、英語という世界共通語で世界各国のクラスメイト達とビジネスを学んだ経験は武器になります。

Tina

情報の更新は必要ですけどね。日々勉強。

結婚して子供を産んだらそれでハッピーエンド、女性の人生が終わりなわけがないですよね。変な話、離婚するかもしれませんし、パートナーがずっと健在とも限りません。それこそ、シングルよりも子供のためにしっかり稼ぐ必要があるかもしれません。はたまた、パートナーの海外赴任に付いていって、できれば現地で働きたいと思うかもしれません。

どんなケースであっても、MBAで得た知識や経験は人生の助けになってくれるはずです

修了直後の給与アップや昇進のためだけのMBAではなく、女性の人生をより自由にしてくれるものだと思います

様々な価値観を持つ女性達との出会い

この記事を読まれているということは、進路や将来について少なからず迷いや葛藤があるということですよね。

20代後半~30代の日本人女性のちょっとした生き辛さみたいなものって、日本で生まれて育っていれば、どんな立場であってもある程度想像できると思うんです。

Tina

自分がそれを実際に感じているかどうかは置いておいても。

無意識に日本人の間で共有されているものってありますよね。もしくは、自分の中には相反するものがあったとしても、日本人として、日本社会の価値観には気付いているはずです。

この価値観の壁を超えるには、物理的に国境を超えるのが一番簡単です

日本がダメだと言っているわけではありません。筆者は日本が好きですし、海外で「いかにも日本人だ」と言われる典型的なタイプだと思います。ビジネスにおいても、日本のものづくり文化をこよなく愛しています。

でも、迷いや葛藤があるなら、見聞を広げることが解決の助けになります

MBAというのは基本的に選考の段階からダイバーシティ(多様性)を考慮して人を集めています。グローバルに活躍するリーダーを育てる場なので、異なる国籍、バックグラウンド、価値観を持った学生たちでクラスを構成することを意識しているんですね。

Tina

ビジネススクールによってダイバーシティの重視度は変わりますが、欧州のスクールでは特に顕著です。

そうなると、もう日本にいるのとでは全く違うレベルで価値観の相違に触れることになります。それもクラスメイトという近しい間柄で肌で感じることが出来るんです。

時にはそれがストレスにもなりますし、困難なことも多いです。

Tina

日本人同士であれば言葉にせずとも分かり合えることも、一切通用しません…

そんな環境の中で、自分の価値観の枠組みみたいなものが、徐々に柔らかくなってくるのを感じるんです。情報として知識として他国の文化を知っている…というレベルではなく、クラスメイトとして、友人として関わっていく中で、自然とこれまでとは違う視点で物事をみれるようになっていきます。

MBAで出会った女性達で、影響を受けなかった人はいないかもしれません

宗教に支えられ日々感謝をしながら看護の世界に生きる女性、人生を豊かにするためにパートナーと一緒にMBAに来ている女性、キャリアブレイクを楽しみに来ている女性、小さな子供達と一緒に海外移住がしたい女性、40歳を過ぎてもっとキャリアを楽しみたいと学びに来ている女性、若くして起業家としてバリバリ働く女性…。

挙げればキリがないですが、本当に様々で、でもみんな自然体で自分に正直で、ちょっと肩肘張って生きていた自分にはとても羨ましく感じました。一方で、日本は恵まれているのだと実感したり…日々発見の連続でした。

こういった出会いは勿論MBAに限りません。

ただやはり、同じようにMBAを目指してくる女性達なので、バックグラウンドや価値観が違っていても何か通じるものがあり、惹かれるのかもしれませんね。

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最後に

長くなりました。

いま、MBA留学を迷っている女性達に向けて、筆者のケースを出来るだけ具体的にお話してみました。考え方も事情もそれぞれに異なるものなので、 MBA留学をした方が良いともしない方が良いとも言えません。ただ、筆者の経験がどなたかのヒントになるなら嬉しいです。

どんな選択であれ、応援しています^^

Tina

これから進む道が、素晴らしいものになりますように!


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