- 会社内でTOEICが受験できるようだけど、認定証は発行されないらしい
- 大学でTOEICを受験すると通常より安く受けられるのは何故?
TOEICを受験するためには、基本的にはTOEICの公式HPから受験申込をしますよね。一方で、上記のようにご自身の所属する会社や大学などから申し込み、そこで受験できるTOEICテストがあります。
それが「TOEIC IPテスト」と呼ばれるものです。
会社や大学、塾etc.で受験することが出来ます^^
この記事では、「 TOEIC® IPテストとはどういった試験なのか?」をご紹介します。
※TOEIC® is a registered trademark of ETS. This page is not endorsed or approved by ETS.
関連ワード:TOEIC IPとは/IPテスト 簡単/トイック/トーイック/IP 先読みできない/IP 就活で使えない/デメリット
TOEIC IPテストとは?
TOEIC IPテストの「IP」とは、Institutional Programの頭文字をとったもので、TOEIC IPテストとは「団体特別受験制度」を使ったTOEICテストのことを指します。
つまり、TOEIC公開テストが個人受験なのに対して、IPは団体受験です。
こちらの記事で、TOEIC® Programには5つのテストがあるとお話しましたが、この5つ全てのテストがIPテストに対応しています。
また、公開テストでは、個別に受験できる技能は「Speaking 」のみなのですが、IPテストでは、「Speaking」に加えて「Writing」のみを受験することも可能です。
これって結構IPテストのメリットだと思うのですが、現状ではTOEICテストと言えば=TOEIC L&Rテストという方が殆どだと思いますので、ここではL&Rテストに絞ってお話していきます。
※以降の「TOEIC」の記載は、TOEIC L&Rテストを指します。
傾向としてこれから他の技能の受験も増えてくると思いますので、その時には改めてご紹介しますね。
それでは、早速「公開テストとの違い」を見ていきましょう。
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公開テストとの違い
「公開テスト」と「IPテスト」の違いを以下の表にまとめました。
公開テスト | IPテスト | |
---|---|---|
運営 | IIBC(※1) | 各団体 |
試験日程 | 年10回(年間スケジュール) | 各団体が指定できる |
受験料 | 7,810円(税込) | 4,230円(税込) (団体によっては更に補助が出る場合もある) |
試験会場 | IIBC指定の会場 | 各団体が指定できる |
試験問題 | 最新の問題 | 公開テストの過去問 |
結果通知 | オンライン上:17日後に掲載 公式認定証:30日以内に発送 | IIBCに試験資材到着後… ①5営業日後に発送 ②翌営業日15時以降にダウンロード可 (担当者から個人への通知タイミングは団体による) (オンライン受験の場合は即日) |
結果宛先 | 個人宛 | 団体宛 (団体が希望すれば有料で個人宛発送も可能) |
スコア | 公式認定証 | スコアレポート |
オンライン受験(※2) | 不可 | 可能 |
(※1)IIBCとは、日本国内のTOEICの運営団体です。
(※2)TOEIC IPテストのオンライン受験は、英語力を測る仕組みがマークシート方式とは異なります。
こうして公開テストと比較してみると、IPテストはかなり各団体に融通を利かせた試験であることが分かります。
一方で、共通点についても整理しておきましょう。
IPテストは公開テストの過去問を使用していますので、当然と言えば当然ですが、下記は全て同じです。
- 試験時間(リスニング約45分間、リーディング75分間)
- 試験形式
- 難易度
ちなみに…
IIBCの公式発表によると、公開テストと比較して、IPテストは平均点が低いです。参考に2019年度は公開テストが588点、IPテストが470点で100点以上開きがあります。
これは、IPテスト受験者の中には団体からの指示で受験する人が一定数いて、特に対策もなく受験しているからでしょうね。公開テストは自分の意志で申し込みをしますから、その辺りが点数に表れています。
TOEIC IPテストのスコアは履歴書に書ける?
TOEIC IPテストのスコアは履歴書に書くことができるかどうか?:書けます。
IPテストでは「公式認定証が発行されない」という点、気になりますよね。
IPテストでは、公式認定証でなくスコアレポートが発行されます。
結論から言うと、IPテストでも履歴書に書けます。
TOEICの公式サイトでは以下のような記載があります。
スコアレポートも公式認定証と同様に履歴書に書くことができるのか?
A:できます。ただし、提出先独自の指標を設けている場合があるため、スコアを活用する際には提出先へのご確認をお勧めします。
一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)HPより
TOEICのスコアとして記載して問題ありません。
IPテストもTOEICの公式テストですので、スコアは公開テストのスコアと同様に扱ってもらえることが殆どです。
但し、一部の企業や大学では「公式認定証」の提出が必須となっていたり、公開テストのスコアのみを有効とするところもあるので、その点は各自確認が必要です。
履歴書に記載する際には、IPのスコアであることは記載しておいた方がベターだと思います。IPのスコアが劣るわけではなく、英語力を証明するスコアとして堂々と記載してOKですが、規定上の問題でのトラブルを避けるためにです。
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TOEIC IPテストのメリットとデメリット
これまでの内容をふまえて「TOEIC IPテストのメリットとデメリット」をまとめました。
- 受験費用が安い
- 結果がすぐに分かる
- 慣れた環境でテストが受けられる
- オンライン受験ができる
- 公式認定証が発行されない
- 就職活動や受験の際、会社や大学によってIPの点数を認めないケースもある
- 所属している団体でIPテストが実施されていないと受けられない
- 結果が団体に通知される
- ■メリットについて
-
受験料が安く結果が早く分かる、これってとても嬉しいですよね。
特に会社や大学のゼミ等で一定以上のスコアを求められているようなケースでは、気軽に受けてすぐに結果を知ることができるのは大きいです。
公開テストの結果待ちの期間、落ち着かないですもんねぇ。勉強に身が入らない期間だったりします。
Tina仮に試験翌日にIIBCに試験資材が返送されるとすると、担当者が結果ファイルをダウンロードできるのがその次の日の15時以降です。更に仮に団体の担当者が即日受験者に結果を通知するとなると、最短で受験した日の2日後に結果が分かります!
※個人への結果通知のタイミングは団体によります。
※オンラインの場合は即日結果が分かりますが、テストの仕組みが異ります。慣れた環境で受験できるというのも大きいです。
公開テストの会場は毎回受験情報が届いてみないと分からず、しかも当たり外れが大きいです。
Tina試験会場が立派なホテルだった友人によると、ホテルスタッフの丁寧な対応に癒された一方で、宴会場の音の反響がひどくてリスニングがボロボロだったとのこと。そんなことあるの?と思うかもしれませんが、結構あるあるです。
【すぐ出来る】TOEICリスニングのコツ(前編)「絶対にやるべきこと」 さて、TOEICのリスニングセクション受験の際の「コツ」をお話したいと思います。 勿論、高得点を取るための基本は「リスニング力を上げる」に尽きますが、現在どのレベ…また、会場自体の環境は良くても、初めて行く場所というのは体力を使うものです。
当日時間通りに辿り着けるか…ドキドキしますよね。大きな会場は駅から遠いことも多いので、自宅から1時間以上かかるようなケースもザラです。無事到着しても会場は全く知らない人ばかりで緊張感に包まれているわけです。
これらの要素を全て排除できて、慣れ親しんだ会社や大学で受験できるってかなりメリットです。
あとはオンライン受験ですね。現状オンライン受験ができるのはIPテストだけです。
これは公開テストとかなり形式が異なりますので別記事でまとめました。
【対策と注意点】TOEICのオンライン受験って?【先読み不可】 TOEIC® テストがオンライン受験できるって知っていましたか? 新型コロナウイルス感染症の世界的な流行によりテレワークやオンライン授業が一気に普及しましたが、TOEIC… - ■デメリットについて
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やはり「公式認定証が発行されない」点が一番の難点です。
同じ時間・同じ形式・同じ難易度の試験を受けて取得したスコアにも関わらず、「企業や大学によって認められないことがある」といった一抹の不安を持つことになります。
TOEICのスコアが自身の進路において重要な位置付けにある方は、やはり公開テストを受験しておくことをおススメします。その場合、IPテストを練習用として利用するのが賢いです。
Tinaというのも、IPテストは誰でも受けられるわけではありません。受けられる環境にいればラッキーです。安価に気軽に練習できますよ。
IPテストを実施しているかどうかは、団体によります。
基本的にその団体に所属もしくは過去に所属していないと受験資格がないので、ご自身の所属する団体にIPテストの実施予定がなければ、公開テストを受けるしかありません。
最後のデメリットとしては、「結果が団体に知られてしまう」ことでしょうか。
基本的に結果は団体の担当者に一斉送付され、更に担当者は団体内の全受験者成績一覧を見ることができます。有料で結果を個人に直接発送するサービスもあるのですが、それでも担当者は各個人のスコアを成績一覧で確認できます。
納得のスコアだったら問題ないのですが、目標スコアに到達するための「練習」といった形で受験したくても、会社に低いスコアを知られたくないという方もいますよね。
団体受験のメリットを享受するために仕方ない部分ですが、気になる人はいると思います。
Tina英語学習を始めて最初から高得点という人はいません。
英語力を上げようと取り組んでいるなら、スコアが低くても恥じることは一切ないです。気にせずに受験して結果からどんどん吸収していきましょう^^
最後に
いかがでしたでしょうか。
「TOEIC IPテスト」を定期開催している会社や大学等に所属されている方は、ぜひ活用してみてください。
公開テストに比べて気軽に受験できるとは言っても、試験となると気合いが入るものです。申し込みをしたその日からゴール(受験日)が明確になるので、学習計画にもハリが出ますよね!
TOEICのスコアが上がらずに行き詰まっている方、TOEICのテクニックばかりに気を取られていませんか?
試験対策という意味でTOEICに特化したトレーニングをすることは非常に大事ですが、大きくスコアアップを狙うには、英語力の底上げが必要です。
急がば回れ、まずは自身の現在の強みや弱点をきちんと把握し、1つ1つ取り組んでいきましょう^^