IELTSスピーキングテスト、緊張しますよね。沢山の過去問をこなし、会話力も付いてきたはずなのに、本番になると緊張で頭が真っ白になってしまって良いパフォーマンスができない…IELTS受験者あるあるです。
試験会場の独特の雰囲気、順番待ちの廊下、なぜか聞こえるように流暢な英語でネイティブと談笑するスタッフ…
一生懸命頑張ってきたのに当日思うように力が出せないと本当に悔しいですよね。筆者も泣きながら会場を後にしたことがあります。それでも、最終的にはIELTSのスピーキングで7.5をとることができたので、今回は筆者が実践した緊張をコントロールする方法をシェアしたいと思います^^
みなさんが当日十分に実力を発揮できますように!
【関連ワード】あがり症/試験 緊張 対処法/緊張との向き合い方/動悸/手の震え/練習/平常心/マインドコントロール
緊張自体は悪いものではない
「緊張は悪」の悪循環
緊張というと、どんなイメージがありますか?
- 心臓が波打つようにドクドクする
- 身体が固まって思うように動かない
- 顔が赤くなり汗が出る
- 声が裏返って上手く話せないetc.
こんな感じでしょうか。誰もが一度は経験したことのある反応ですよね。
過度の緊張によって失敗してしまった消し去りたい過去って、大人になれば誰にでもある…はず。筆者もあります、あー忘れたい。
緊張で失敗した記憶って、自分の中では強烈に残るものです。緊張するシーンって大体周囲に人が沢山いたりして、自分としては大恥をかいた黒歴史として居座り続けるんですよね。
周りは全く気にしていなかったり、むしろ好意的に見ていたりするんですけどね。完璧じゃない人の方が親近感や愛着を持ちやすかったりして。
そんなトラウマ的な経験により、殆どの人は「緊張しないためにはどうしたら良いか?」を考えます。緊張を消し去ろうとします。でも実は、そのマインド自体が緊張によるネガティブな反応を引き起こしているんです。
「緊張は悪」、つまり敵だとみなしてしまうと、恐怖心が生まれると同時に敵の攻撃から身を守るために身体は縮こまります。これを「脅威反応」と呼びますが、本来は外敵から身を守るための術でもあり、生き延びるために出血を最小限に抑えようとして血管が収縮し、身体が縮こまるんです。
頭が働かない=頭が真っ白になってしまうのはこのためです。
緊張はパフォーマンスを向上させる
緊張を避けようと「平常心、平常心」「リラックス、リラックス」と言い聞かせる場面は試験では鉄板ですが、リラックスしている状態って本当にベストなパフォーマンスが出せる状態なんでしょうか?
自宅のソファーで完全にリラックスしている状態(ストレスゼロ)を思い浮かべて下さい。頭冴えてます?
実は緊張と集中は紙一重で、緊張感というのは大切な脳への刺激でもあります。確かに緊張すると心臓はドキドキしますが、それは心臓がしっかり働いている証拠。いつもより沢山の血液を送ることで、頭がどんどん回るようになります。つまり、頭が冴えます。
緊張がパフォーマンスを向上させるんです。
緊張を敵だとみなして縮こまってしまえば、頭も身体も固まってしまい制御不能に陥りますが、緊張を味方に付ければ血流が良くなってパフォーマンスが向上します。前述の「脅威反応」に対して、これを「チャレンジ反応」と呼びます。
まずはこれを頭に入れておくことがとっても大事。
思い込みって強烈なパワーがあるんです。「緊張で失敗してしまう」と思い込めば脅威反応は避けられないですし、「緊張は味方だ」と信じれば、現実もそうなるものなんですよ。
緊張との向き合い方については【スタンフォードのストレスを力に変える教科書】がおススメ。結局マインドセットの持ちようが人生を変えるというお話。
IELTSスピーキングの緊張には2種類ある
さて、緊張の弊害も恩恵も分かったところで、IELTSのスピーキングテストに話を戻します。試験はどうしたって緊張しますが、緊張が良い方向に向くケースと、挽回が難しい程にドツボにハマってしまうケースがあります。
その分かれ道はどこか?
それは、緊張のピークが来るタイミングです。
- 試験直前に緊張のピークが来るタイプ
- 試験中に緊張のピークが来るタイプ
「試験直前に緊張のピークが来るタイプ」は、廊下や待合室で待っている時点で心臓が高鳴り緊張がピークに達するものの、試験が始まれば次第に落ち着きを取り戻します。一方で「試験中に緊張のピークが来るタイプ」は、試験前から緊張は始まっていますが、試験中の何らかの原因によって緊張のボルテージが急上昇してしまい、思うようなパフォーマンスができなくなります。
つまり、IELTSスピーキングにおいて重点的に対策すべきは後者の「試験中の緊張」ということです。
身内のいない試験会場、厳重なIDチェック…試験会場では誰もが緊張を感じています。それは当然のこと。無闇に緊張しないようにと考えるのではなく、緊張感が集中力を高めてくれるんだと意識しつつ、試験中にドツボにハマらないように緊張をコントロールしていきましょう。
緊張をコントロールして実力を発揮する方法5選
では、試験中に緊張をコントロールする方法です。試験中に緊張のボルテージが急上昇して制御不能=Out of Controlにならないようにするための方法ですね。
全て筆者が実践した方法です。他にも色々と工夫しましたが、最も効果のあった5つです^^
①直前にオンライン英会話を利用する
これ、かなりおススメです!
試験当日って基本的に口数が少なくなりますよね。試験会場に到着してからスピーキングテストで試験官と対面するまで、殆ど声を発しないということも珍しくありません。遠方からの受験でホテルを利用していたり一人暮らしだったりすると、前日の夜から殆ど誰とも会話せずにテストに臨むこともあるかと思います。
その状況でいきなり試験官と本気度100%の会話をすると…日本語でもドモります。
どもっている自分に焦ってしまって、緊張のボルテージが急上昇…危険です。スピーチのプロでも、大勢の前で話す前には必ず雑談をしていつも通りの声を出しておくのだとか。
筆者は当時、DMM英会話を利用していました。スピーキングテスト前の丁度良い時間に予めレッスン予約をしておいて、講師と雑談をしつつ励ましてもらっていました。レッスン開始15分前まで予約を受け付けているので、当日の様子で直前に予約をしても良いかと思います。
会場近くのカフェでスマホを使って講師と話してましたよ^^
声を出すだけでも良いウォーミングアップになりますが、25分間(1レッスン25分)英語で会話をすると、自然と頭が英語に切り替わるので、そのままテストに向かうことが出来ます。講師は基本的に優しいので、IELTS試験の直前だと説明すればポジティブな言葉を沢山使って激励してくれますよ^^
初月最大50%オフ!無料体験レッスン受付中!注意して頂きたいのは、当日はIELTS対策等の型にハマったレッスンは受けないこと。
フリートークを選んで予約しましょう。出来ないことがあると自信を失うリスクがあるのと、直前にそんなエネルギーを使う必要はないからです。目的はウォーミングアップと心を落ち着かせて自信をつけることです。
オンライン英会話については最新状況を細かく比較検討したので、別記事でまとめようと思います。 参考になれば^^
②PART1の前半は抜け目なく準備する
こちらの記事でもお話していますが、PART1の前半で聞かれることは大体決まっています。
PART1は大きく分けると【受験者のバックグランドに関する質問】と【日常的な事柄への質問】に分けられ、前者の「受験者のバックグラウンド」に関してはかなりの精度で事前に準備をすることができます。
最初にポイントを稼いで良い緊張感を味方につけてスタートできるか、最初に取りこぼした焦りと恐怖から緊張に支配されてしまうか。出だしはかなり重要です。
ここは暗記で良いので、しっかり準備をしておきましょう。
筆者はDMM英会話を使って、準備をした表現が加点に繋がるかどうか講師に確認していました。試験直前のフリートークで、想定している質問を投げてもらって最終の練習をするのも良いですよ^^
③びっくり問題に触れておく
IELTSのスピーキングテスト、たまに「は?」と思う質問ありませんか。
いや、あるんです。あるんですよ。それがIELTS。
それが起こるのがPART1の後半の【日常的な質問】です。
またPART1…やはり緊張コントロールはテスト開始直後が肝ですね。
よく考えると難しくはないんですが、突然ななめ上からの質問が飛んでくると焦って固まります。基本的には「一問一答+α」でどんどん次の質問に進む場面なので、挽回のタイミングがなく、上手く気持ちを切り替えないと最後まで引きずってしまいます。
いきなり「水」について意見を求められた友人。PART2やPART3の出来はさておき、試験後に「どう答えたら良かったの?」と気にしていたのはPART1の水問題でした。PART1の後半のたった一問…破壊力あります。
これは…慣れるしかありません。
オンライン英会話の講師でも友人でも良いので、突拍子もない質問を沢山出してもらって下さい。そうすると、IELTSとはそういうものだと脳が覚えるので、本番でびっくりして焦ってしまうことを防げます。数をこなすと解答パターンが身に付いてきて、答えにくい質問でも上手くポイントを稼ぎながらごまかせる術も身に付きますよ^^
④パニックになった時の対処法を決めておく
十分に準備をしても、どうしてもパニックになってしまうこともあります。
最初にペースを掴めれば、緊張やストレスによる失敗の多くは防ぐことができますが、それでも試験は何が起こるか分かりません。試験官が異常に不愛想で、緊張の「脅威反応」が起きてしまう…なんてこともゼロではありません。
そんな時の為に、パニックになった時の対処法を予め決めておきましょう。
緊張=ストレスのボルテージを下げる方法ですね。①~③までの「緊張によるマイナス反応を回避する策」も重要ですが、緊張で固まってしまっても大丈夫だとドンと構えることも大切。リカバリできれば良いのです。
おススメは、リカバリのフレーズとリズムを決めておくことです。
例えば、こんな感じ↓。
「Oops, sorry I got lost a little bit due to exam pressure haha(+笑顔), okay let me explain again,(+深呼吸)thank you.(+笑顔)→「あ、ごめんなさい。試験で緊張しちゃって何を言っているか分からなくなってしまいました(笑顔) それでは、再度説明しますね。(深呼吸)ご理解ありがとうございます(笑顔)。」
IELTSは進路に影響するとっても大事な試験。試験官も受験者の緊張は理解しています。パニックになっていると感じたら一度止めてしまって大丈夫。深呼吸しましょ。
緊張で頭が真っ白になると、その状況に焦って余計に身体が強張る悪循環。深呼吸したり胸とトントンと叩いたり。ご自分の落ち着く方法を一連の流れに組み込みましょう。黙ってしまってはマイナスイメージを与えてしまいますが、英語で簡潔に状況を説明して仕切り直せば、それ自体が影響することはありません。
上記のフレーズとリズムを間合いを取りながら実際に話してみて下さい。ほんの10秒足らず。試験時間は11~14分なので、気にすることはありません^^
対処法を実践しなくて良いのが一番ですが、予め対処法を持っていること自体が安心に繋がるものですよ^^
⑤笑顔!笑顔!笑顔!
最後になりますが、スピーキングテストにおいて笑顔ってすごく大事です!
前述の「パニックになってしまった時の対処法」においても、リカバリの一連の流れに笑顔を組み込むことはとても重要です。笑顔を作ることで表情筋が刺激を受けて脳に伝わり、ポジティブな感情が生まれるんです(シルヴァン・トムキンズ「表情フィードバック仮説」)。
笑顔を作るだけでポジティブになれるんです!
また、笑顔は伝染します。つまり、試験官の表情も柔らかくなります。試験官が笑顔でいてくれると、安心しますよね。どんなシリアスな雰囲気の試験官だったとしても、笑顔は絶やさないようにしましょう!
おまけ:テスト前に試験官と短い会話を交わす
筆者の緊張対策として効果的だったことの1つに、「テスト開始前に試験官と短い会話をする」というルーティーンがあるのですが、これは会場の状況よってチャンスがあったりなかったりすると思うので、おまけとしてお伝えします。
対面のスピーキングテストの場合、受付を済ませて順番を待っていると、前の受験者のテストを終えた試験官が呼びに来てくれますよね。入室から着席まで誘導してくれると思いますが、その際に簡単なコミュニケーションがとれます。
ほんの一言二言ですが、待ち時間に最高潮に達した緊張を落ち着かせてくれます。
「I’m a bit nervous, but in a good way. I’ll do my best.」(ちょっと緊張しています、でも良い意味で。ベストを尽くします)と話しかけると、「That’s all right. You can do it!」(大丈夫、君なら出来るよ!)といった感じで励ましてくれました。不思議なもので、たったこれだけの会話でも、信頼感や安心感が生まれます。
但し、ここでネガティブなことを言ってはダメですよ!笑顔でポジティブに!
最後に
IELTSスピーキングテストで緊張をほぐして実力を発揮する方法をお伝えしました。
思い入れが強ければ強いほど緊張してしまうものですし、試験では多かれ少なかれ誰でも緊張するものです。メンタル部分というのは複雑なようでいて、意外とほんの少しの工夫や発想の転換で驚くほど変化します。
みなさんが「実力を出し切った!」と思えるパフォーマンスができることを祈っています!
大丈夫!自分を信じて頑張って!!