- 英語は大学卒業間もない新入社員が有利なのか?
- 気になる韓国や中国の英語事情
- 営業職、達成すべきTOEICスコアは?etc.
みんな気になるTOEICスコアの実情について、最新データを元にカテゴリ別に分析します!
これがなかなか面白い。ご自身が関連するカテゴリ、チェックしてみて下さい^^
【関連ワード】トイック 平均/学生 平均/社会人 平均/トーイック/大学生 平均点/点数/toeic ip 平均 低い/東大 toeic 平均/難しい/昇進 スコア/IP 点数低い
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※この記事での「TOEIC」の記載は、 TOEIC® L&Rテストを指します。
TOEICの平均データ:英語基礎力、高め?
データの参照元
カテゴリ別のTOEICスコアを見ていく前に、データの出所についてお話しておく必要があります。
TOEICのスコアデータを分析する際、TOEICの開発元であるETSがまとめている【2021 Report on Test Takers Worldwide】という全世界の受験者データを参考にするか、日本国内の運営を担う(一財)国際ビジネスコミュニケーション協会(以下、IIBC)が作成している【TOEIC®Program Data & ANALYSIS 2021】を参考にするかで視点が変わります。
今回は、IIBCがまとめている日本国内のデータをメインに、必要箇所でのみETSのデータを引用していきます。
同じ日本人の中で比較した方がイメージがしやすいと思うので^^
ちなみにデータはどちらも2022年7月末時点で最新版です。どちらもレポート名は2021となっていますが、ETSの方は2021年の年間データ、IIBCの方は2020年度(2020年4月~2021年3月)のデータです。
公開テストとIPテスト:どんな人が受けてる?
TOEICには個人で申込をしてIIBC指定の会場で受験する「公開テスト」と、会社や大学等の団体毎に受験する「IPテスト」があります。IPテストの場合は自分の所属する会社や大学に申込を行い、日時や会場も団体が決定します。
■TOEIC IPテストについてはこちらの記事で解説してます^^
公開テストとIPテストはそれぞれ別で平均データが算出されています。公開テストは英語力向上を目指している個人が意思を持って申込をして受験する一方で、IPテストは企業や大学が社員や学生の英語力把握のために一斉に受験させるケースもあります。どちらが良い悪いではないですが、平均データのイメージとしては以下の通り。
- 公開テスト:「英語学習者」の平均
- IPテスト:一定レベルの団体に所属する人の平均
日本人の平均といってもTOEICを知らない程に英語と縁遠い人達も結構いますからね。そういった層は含まれません。IPテストに関しては、団体受験実績を見ても一定レベルをクリアしている感じなので、英語力はさておき基礎学力は高めのサンプルかと思います。
その点をふまえた上で、早速データを見ていきましょう!
【全体】最新のTOEIC平均点は?
年度 | 公開テスト | IPテスト |
---|---|---|
2018 | 580 L321 R259 | 471 L205 R266 |
2019 | 588 L323 R265 | 470 L264 R206 |
2020 | 620 L337 R282 | 502 L282 R221 |
先程のお話の通り、公開テストは「英語学習者の平均」に近くなるので、IPテストよりも常に平均値が高いです。
過去の平均値を見ても、常に100点程の開きがあります。
繰り返しになりますが、IPテスト受験者の中には団体からの指示で受験する人が一定数います。その場合、特に対策もなく受験している人も。公開テストは自分の意志で申し込みをしますから、その辺りが点数に表れています。
2020コロナパンデミックで平均値が変化?
お気付きの通り、公開テスト/IPテスト共に2020年度から急に平均値が上がっています。
それ以前は大体「公開テスト580点前後」「IPテスト470点前後」で推移。
パッと見、2020年度の難易度が低かったかのように見えますが、それは間違い。こちらの記事でもお話していますが、TOEICのスコアは「スコアの同一化=イクエイティング」という統計処理により難易度によるブレを排除しています。
つまり、同じ英語力であれば、難易度の高い回でも低い回でも同じスコアになります(理論的に)。
では、何が影響したか?ですが、コロナパンデミックが起こったこと以外にハッキリと言えることがありません。パンデミックにより在宅時間が伸びたことで英語学習が捗ったのか、受験者が真剣度の高い層に限られたために平均が伸びたのか。
個人的には、後者の可能性が高いかなと思っています。実際に2020年度は受験人数がガクっと減っています。筆者は当時は英国にいましたが、世界中がウイルスに怯えていましたもんね。多人数が入る受験会場に出向くってなかなか勇気が必要だった時期です。そうなると、ちょっと英語力を測ってみたいといった層は受け控え、あの時期にどうしてもスコアが必要な人達が受験するという傾向はあったはずなので、平均は上がりやすかったと想像します。
母数が減る程に平均値は偏りやすくなります。ちなみに、ちょうど2020年4月からIPテストのオンライン受験がスタートしましたが、公開テストの平均も上がっていることを考えると、平均値上昇にオンライン受験の影響はなさそうですね。
【役職】管理職VS若手社員:平均スコアが高いのはどっち?
順位 | 役職/社歴 | IP平均スコア |
---|---|---|
1 | 役員 | 574 L317 R257 |
2 | 部長 | 556 L311 R244 |
3 | 入社2~5年 | 541 L300 R241 |
4 | 新入社員 | 529 L291 R238 |
上級管理職強し!若手以上に勉強してます。
部長以上の上級管理職は強いですね。昇進の条件にTOEICスコアを設けている会社も多いので、役職が上がる程にスコアが上がるのもあると思いますが、やはり人の上に立つ人というのは勉強熱心ということでしょうか^^
ちなみに部長以下の役職も含めて順位を出していますが、課長528点、係長508点と惜しくも若手に及びませんでした。
意外と学生上がりたての新入社員よりも入社2~5年目の若手の方が高スコアなのは、若手は入社後一定期間は英語学習を継続する傾向があるのですかね。
役員を抜いて断トツのトップは?
さて、表には記載していませんが、実は役員を抜いて断トツのトップが内定者646点です。
内定者=学生ですからね。ちょっと毛色違うので別にしました。
学生のうち大学3年~4年生の最もTOEICの勉強を頑張る時期ですよね、就活のために必死です。その後の新入社員になると点数がガクっと落ちる瞬間風速的な高スコアなのは気になるところですが笑、面白いデータです^^
【国別】韓国VS日本:日本は世界で何番目?
日本は世界で何番目?
2021年の日本人のTOEICスコアは574点(L315 R259)で世界31位でした!
国・地域 | 平均 | 国・地域 | 平均 |
---|---|---|---|
ドイツ | 826 | ポーランド | 659 |
チリ | 807 | クウェート | 645 |
レバノン | 800 | カメルーン | 627 |
イタリア | 794 | ヨルダン川西岸地区 | 621 |
フィリピン | 793 | セネガル | 617 |
コスタリカ | 765 | ギリシャ | 613 |
ベルギー | 760 | コートジボワール | 604 |
インド | 759 | ブルキナファソ | 596 |
モロッコ | 749 | 日本 | 574 |
ヨルダン | 745 | エルサルバドル | 573 |
スペイン | 739 | コンゴ共和国 | 571 |
フランス | 738 | ガボン | 567 |
ペルー | 727 | パナマ | 566 |
エジプト | 715 | 台湾 | 565 |
チュニジア | 712 | メキシコ | 550 |
ニカラグア | 703 | 香港 | 548 |
マダガスカル | 692 | 中華人民共和国 | 547 |
コロンビア | 687 | レユニオン | 546 |
アルジェリア | 684 | モンゴル | 542 |
マレーシア | 681 | ベトナム | 531 |
韓国 | 679 | アルバニア | 516 |
ブラジル | 662 | タイ | 511 |
ちなみに前年データ2020版では日本は531点で27位!前回より平均スコアは43点も上がっていますが、ランクは落とした形です。
気になる韓国や中国との比較
さて、お気付きでしょうか。気になる韓国や中国との比較。
韓国VS日本は完敗です。
最新データは韓国679点で21位ですが、前年データは683点で12位。10位内が射程圏内でした。いずれにせよ日本とは100点以上差があります。
近年の韓国の海外志向・海外進出には目を見張るものがあります。一方で、中国とは競り合っています。昨年は中国533点で26位、日本は531点27位の僅差で負けたものの、最新データでは日本574点31位に対して中国547点39位で逆転しています。
TOEICに限っての話ですけどね。英語力に関しては様々な視点でデータが出ていますが、会話力を含めると日本が圧倒的に低い傾向にあります…残念ながら。
【業種】1位はマスコミ!2位以下の業界は?
順位 | 業種 | IP平均スコア |
---|---|---|
1 | マスメディア(1) | 656 L349 R306 |
2 | 鉱業(3) | 639 L347 R292 |
3 | 証券・保険(5) | 623 L337 R286 |
4 | 商社(4) | 620 L338 R282 |
5 | 金融(7) | 609 L329 R280 |
マスメディアが1位!括弧内の数字はデータ前年度の順位です。
業種データはIPテストでのみ発表されています。会社や団体単位での受験なので業種間の傾向がはっきり分かりますね^^ 前述の通り、最新データ(2020年度)は全体的に平均が高めなので、通常マイナス30点くらいかなと思います。
上位の業界は大体イメージ通りという感じではないですかね。国内のデータですが、世界的に見ても同じような感じです。マスコミ、商社、証券、金融系は英語基礎力が高いです。ただ、ちょっと注意なのが各業界の受験人数ですかね。製造系はことごとく圏外ですが、受験人数は圧倒的に多いんですよね。
桁が一つ違うというレベルでなく、例えば電機業界78,799人に対してマスコミは325人、鉱業は312人です。
業界の母数というのもあるとは思いますが、あくまで参考程度…ということで。
【職種】営業、人事、SE、技術職に必要なスコアは?
職種 | 公開テスト | IPテスト |
---|---|---|
海外 | 729(1) L394 R335 | 714(1) L389 R326 |
教育 | 713(2) L384 R329 | 596(5) L328 R267 |
法務 | 689(3) L363 R326 | 639(2) L343 R296 |
広報 | 678(4) L369 R309 | 637(3) L351 R286 |
経営 | 676(5) L361 R315 | 633(4) L345 R287 |
研究 | 650(6) L347 R303 | 587(6) L318 R269 |
人事 | 648(7) L352 R296 | 552(8) L306 R246 |
営業 | 616(8) L337 R279 | 560(7) L309 R251 |
SE | 609(9) L331 R279 | 526(9) L292 R234 |
技術 | 579(10) L319 R261 | 485(10) L273 R212 |
ざっと職種をピックアップしました。ご自身のカテゴリの平均スコアをチェックしてみて下さい^^
前述の通り、最新データは全体的に平均が高めなので、マイナス30点くらいで見て頂いて大丈夫です。
合計スコアの横の括弧内の数字はこの表内での平均スコアの順位です。公開テストは上から順位順に並んでいて、IPテストは公開テストの並びでスコアを記載しましたが、どちらも順位はそう変わらないですね。
教育系の職種だけIPテストでスコアも順位もガクんと落ちてますが。公開テストの教育系受験者は塾の英語担当とか英語試験の強者が集まるのかも。前回まで公開テストデータはここまで詳しく出ていなかったので毎回この傾向があるのか確認できませんが、次回楽しみにしましょう。
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【性別】女性は語学に強い?
男性 | 女性 |
---|---|
609 L332 R277 | 636 L351 R285 |
世界全体のデータです。女性の勝利!
受験者数は大体半々ですが、男性51%女性49%と若干男性の方が多いようです。
一般的に語学系は女性が強いと言われますよね。TOEIC平均でもそれが証明された形ですが、この差に関しては色々と文献が出ていて興味深いので、別記事でまとめたいと思います^^ 個人的な感覚としては、テストは女性の方が点数が高いものの、英語をコミュニケーションのツールとして活躍している人は男性の方が多い印象があります。
まぁ、これは語学というより女性の社会進出の課題に大きく関係しますけどね。
【その他】学生VS社会人:英語力も成長する?
種別 | 学生 | 社会人 |
---|---|---|
公開テスト | 607 L330 R277 | 637 L347 R290 |
IPテスト | 489 L275 R213 | 522 L291 R231 |
公開/IPテスト共に社会人の勝利です!
英語教育を現在進行形で受けている記憶の新しい学生以上に、社会人は英語学習を積み重ねているということですかね。
社会人、頑張ってますね^^
それだけビジネスシーンで英語の必要性があるということですが、TOEIC自体がビジネスの場を前提にしたテストになっていることを考えると、英語力が同じだと仮定すると多少は社会人に有利な内容かもしれません。
TOEICの学生平均というと良く検索ワードに乗る「東大生 TOEIC 平均」ですが、これは明確なソースがありません。20年近く前に東大生協がなぜか院生に限定して「平均737点」と発表したようですが、これも現在は削除されています。SNSでは688点という数字も出回っていますが、真偽不明。
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最後に
いかがでしたでしょうか。データで見比べると面白いですよね^^
TOEICは国内の受験者が多く知名度が高いので、企業や大学だけでなく一般の人にも自身の英語力を示しやすいコスパの良いツールです。努力して高スコアをとれば、しっかり賞賛が返ってくるというか。
IELTSやTOEFLは点数を見てもピンと来ない人の方が多いですからね^^; 褒められるために頑張るわけでないですが、モチベーションの一つとして。
平均スコアを参考に、是非目標を設定して挑戦してみてください!
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